生産管理ってヒマそう。。。
毎日同じようなモノ造ってるのに何を管理してるの?
って勘違いされていることが結構あります。
外から見ている以上に忙しく、バタバタしている仕事なのです。
その理由の一つに“トラブル対応”があるのです。
これは程度や頻度の差はあれど、どんな会社であってもトラブルは避けられません。
「現場は生き物」とはよく言ったものです。
時にありえないようなトラブルもありますし、多くの場合生産管理がその火消しに追われます。
どのようなトラブルがあって、生産管理はその時に何をするのかを紹介したいと思います。
Contents
どんなトラブルがある?
生産管理が巻き込まれるようなトラブルを紹介します。
いろいろなトラブルがありますが、社内(工場内や他部署)で起こるものと、社外(仕入先・得意先・輸送会社)で起こるものがあります。
「社内」で起こりうるトラブル
まずは社内で発生するトラブルの一部を紹介します。
不良発生
これは製造業であれば、もう日常茶飯事すぎて特に驚かなくなります。
生産工程の途中で不良が発生するケースです。
人的ミスの場合もあったり、環境要因の場合もあります。
不良が発生した場合、会社の損失を計算すると同時に、
生産管理マンがやるべきことは“顧客の納期通りにモノを生産できるかどうかの確認”です。
100台の注文に対して99台しか生産できず、1台だけ足りなくても一大事です。
そのため、不良の際に破棄する部品や材料の在庫が足りるかどうか、すぐ確認が必要です。
基本的に不良が多い工程に使用する部品は多めに在庫を抱えているケースが多いですが、万一必要数に満たない場合は、必死に手配します。
すぐには手配できない部品があったり、顧客の納期ギリギリで発覚する場合は最悪です。
生産管理が走りまわって部品を手配するか、顧客へ頭を下げて納期を延ばしてもらうことも必要です。
製造部門も出したくて出すわけではありませんので、誰を責めることもできないまま、顧客からは「なんで納められないんだ!」と責められます…。
そのため、不良を出た場合のことも考えて手配をしたり、不良発覚後にスピーディーに対処することが生産管理の役目です。
設備故障
次は設備が故障して生産ができないというという状況です。
この場合、生産管理がすべきことは”迅速に正確な情報収集”です。
・いつから止まったのか |
・生産できない製品(商品)はどれか? |
・生産できない量はどのくらいか? |
・修理者(保全部門や工機部門)への連絡は済んでいるか? |
・復旧までどのくらいかかるのか? |
・挽回生産はできるのか? |
この辺りの情報をかき集めて、顧客への納入に対する影響度を把握して関係者と調整をします。
モタモタしている間に火はどんどん大きくなっていますので、可及的速やかに対処すべき案件です。
欠員が出た
これもよくあるトラブルです。
製造部門の欠員発生の場合
生産管理がすべきことは“生産能力の把握”です。
今日生産すべき量をこなせるのかどうかを確認します。
出力が足りない場合は他から応援を頼んだり、生産計画の見直しをします。
インフルエンザや感染症等が流行って発生するパターンが多いです。
物流管理部門の欠員発生の場合
物流管理部門でも欠員が出る場合があります。
応援者を入れたり、管理者が作業に入ってヘルプをすることもあります。
多少の欠員には対応できるようにリザーブ要員を用意しておくことも大切です。
製品(部品)を転倒させた
これは主に物流管理がモノを運搬する際に発生します。
ロケに積んである部品や製品を誤って転倒させてしまった場合や、準備や仕分けの際にモノを傷つけてしまう場合等があります。
生産管理がすべきことは“転倒させたモノの状態の確認”です。
製品(部品)の品質に問題があるかどうかを検査部門や品質保証部門に確認し、状態を確かめます。
当然、品質に問題がある場合には再手配・再生産が必要です。
モノの取り扱いや移動の際には十分に気を配ることが大切です。
システムエラー発生
意外と多いトラブルの一つがこのシステムトラブルです。
多くの会社や工場では、システムによって受発注を管理していたり、在庫や入出庫を管理しています。
規模や管理点数が大きいほどシステムに依存しているのです。
そういった状況でシステムに支障が出ると、仕事が止まります。
情報システム部門や委託会社へすぐに連絡をして、場合によっては人海戦術を使って手作業で仕事をしていくことも必要です。
システムエラーばかりは専門家の協力が不可欠な場合が多いので、対策や対処方法を合わせてあらかじめ抑えておくと良いでしょう。
「社外」で起こりうるトラブル
今度は社外的なトラブルです。
社外とは仕入先や得意先、輸送会社などがあげられます。
生産管理は多くの関係者と連携をとって仕事をするため、トラブルに巻き込まれることも多いです。
自然災害発生
自動車業界の場合、台風や地震などによって、得意先の生産ラインが停止する場合があります。
トヨタの生産状況などはニュースでも取り上げられますが、トヨタなどの上流工程の生産ラインが止まる場合、部品を供給している会社への発注も一時的に停止します。
発注がない場合、部品メーカーも生産を止めなければなりません。
当然、生産管理が生産計画を見直す必要が出てくるのです。
生産を止めるとき、生産管理は製造部門に対して、人をいつから休ませるのか、生産をいつから再開させるのかを伝達させなければいけません。
そして、仕入先への部材の発注調整も必要ですし、輸送会社へのトラックダイヤの調整も必要です。
やることが山ほどあり、これはできるだけスピーディーに行わなければいけません。
もちろん、得意先の状況を把握し、再開のタイミングも正確にコントロールすることも必要です。
何も知らない人から「生産止まっているからお休みできて良いよねー」と言われることもありますが、生産管理はそういう時こそ忙しいのです。
輸送トラックの輸送中の事故発生
輸送トラックがモノを輸送中に事故を起こしてしまうケースも極稀ですがあります。
この場合は輸送会社から連絡をもらい、即座に代わりの便を手配するのと同時に、事故トラックに積載されている製品(部品)の状態を確認します。
なんにせよ、得意先には決められた納期(時間)までにモノを届けなければなりませんので、あらゆる手を使って供給しましょう。
納入不良発生
納入不良とは、得意先へ納入したモノが不良だったケースです。
まずは、代品を即座に手配して納めます。
次に不良原因を掴み、状況によっては、二次災害を防ぐために発生時までさかのぼって全製品のチェック(選別)をします。※これは品質保証部門がやることが多いです。
そして、不良が出ていた分だけ、挽回生産が必要になります。
品質的な問題は会社の信頼につながる重大な案件ですので、トラブル対応の中でも緊張感のある部類と言えます。
トラブルに強い生産管理を目指すには
ここまで様々なトラブルを紹介してきましたが、トラブルに強い生産管理マンを目指すためのイロハについて考えていきます。
大切なポイントを3つ押さえておきます。
・冷静にやるべき事を考える
・正確な情報収集
・二次災害を防ぐ
トラブルが発生すると、周囲にはバタバタ騒ぎ立てる人が多く出てきます。
心配性な人やテンパる人も出てくるでしょう。
この時、生産管理は冷静でなくてはなりません。
影響度合いはどの程度か、やるべきことは何かをまず考えましょう。
そして、噂や雰囲気に流されるのではなく、正確な情報をもとに動きましょう。
最後に、トラブル対応中に同じトラブルや、新たな別のトラブルを引き起こすようなことは絶対にあってはいけません。
トラブルを起こさないようにすることが一番良いのですが、なかなか難しいのが実態です。
冷静に、正確な情報をもとに、的確な対処をできる生産管理を目指しましょう。
さいごに
生産管理周辺のトラブルを紹介しました。
今回紹介しきれないものをありますが、すべてを網羅するのは難しいです。
なぜなら、トラブルは本当に多種多様に発生するので….。
トラブルと向き合いながら、トラブル防止に努めていきましょう。
それでは今回はこの辺で…。
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