今日は工数管理の仕事について紹介します。
そもそも”工数”という言葉をご存知ですか?
職種によっては工数という用語を初めて聞いた、という人もいるかもしれませんね。
製造業やIT業界では当たり前のように使用されている工数という概念と一緒に”工数管理”のお仕事についてお話していきたいと考えています。
Contents
工数管理とは何か?
まずは”工数”という概念から説明していきます。
工数≒作業時間と考えてもらえるとわかりやすいと思います。
ある作業のするために必要な時間と人数を表して考えます。
具体的な計算式としては、
工数=時間×人数
管理するためには、下記のように単位に表して管理します。
人時 | 1人が1時間で行う作業:1人時 |
人日 | 1人が1日で行う作業が:1人日 |
人月 | 1人が1月で行う作業が:1人月 |
製造業の場合、製品を生産するための工数であったり、何かプロジェクトを立ち上げる際のメンバーの作業割り当てをし、工数計画と実績をとったりします。
こういった一つ一つ作業の工数を明確に管理・コントロールすることが工数管理の仕事になります。
なぜ工数管理が必要なのか
工数の概念がわかったところで、工数管理の重要性について述べていきます。
工数を管理することのメリットとしては、以下のようなことがあげられます。
・生産性の向上につながる
製造業において生産性は非常に重要な指標になります。
1台生産するための人や時間を短縮していくことで、コストが抑えられ、会社の収益に直結するためです。
安く(早く)生産するためにどうすべきかを製造部門や生産技術部門などが一体となって日々模索しています。
そのためにも、工数を管理することで生産性向上を目指すのです。
・業務可視化が図れる
これは製造業に限った話ではありませんが、誰がどれだけ仕事をしていて、どんな業務に時間をかけているのか、意外とわからないものです。「細かく工数管理をしなくてもだいたい分かっている」という管理者もたまにいますが、そういう場合は大抵ギャップがあるものです。
そういったギャップで一番困るのは、実際に作業をしている従業員です。
しっかりと計算すれば、それが時間通りに終わる仕事量なのかどうかはわかるはずです。しかし、大雑把な工数管理のせいで、残業地獄になりブラック起業化していくのです。
近年、働き改革といって残業低減が謳われていますが、まず取り組むべきは明確な工数の把握とその可視化です。
可視化をすることで問題点が見えて、改善すべき点が見えてきます。
製造現場の場合は設備能力の問題なのか、作業手順の問題なのか、人数が足りないのか、それとも別の要因なのかを突き止めることができます。
業務量の見える化を図り、改善点を見つけPDCA※サイクルを回していくのです。※PDCA=Plan-Do-Check-Action
・プロジェクトの日程や納期のコントロールがしやすい
工数管理によってプロジェクトなどのコストが把握ができます。
計画段階で工数を見積ることで、全体のボリュームと必要なコスト出します。
この際、できるだけ細分化して工数を出していくことで計画の精度が高まります。
今までの工数を明確に記録しておけば、たとえ計算外のトラブルがあった場合にも、リソースをどれだけ割くのか計算がしやすく、スピーディーかつ正確に対処ができます。
上記のように、工数管理の出来によって多くの改善効果が見込めます。
生産管理のみならず、あらゆる会社のすべての管理者・リーダーが身に付け真剣に取り組まなければならない考え方になります。
工数管理のやりがいや面白さは?
工数管理の面白さは、定量的に問題点を見つけることと解決策を模索するところにあります。
工数というものはすべて数字で表すもので、数字はウソをつきません。
そのため、工数データをもとに分析をするといろんな粗が見えてきます。
そして、その部分をどのように改善していくのかを関係者と連携を取りながら、より良い体制へと導くのです。
さらに工数(数字)の良いところは客観的な指標であるという点です。
上司や役員などに対して説明をする際にも、数字で表現すると共感を得やすく、稟議なども通りやすくなる傾向にあります。そして、改善した効果も数字として表れるため、評価も受けやすく、やりがいを感じることができます。
人の作業を数値化して、問題発見/解決能力が身に付き、自分の頑張りも見える工数管理の仕事は大変面白い仕事だと個人的には考えます。
工数管理の難しさや大変さは?
工数管理は作業の可視化を図り、改善する非常にやりがいのある仕事です。
しかし、難しさはそのデータ集め・インプットにあります。
製造業の場合、毎日同じ設備・人・製品にて生産していればデータ集計は容易ですが、そんなケースは極稀です。いろんな変数がある場合は、いろんな条件下でのデータを集計/蓄積していくことが必要です。
システム化やIoTなどが進んでいる会社であれば、データベースに蓄積されている場合もありますが、そうでない多くの中小企業では地道な作業があってこその工数管理になります。
ExcelやAccess、BIツールなどを使用して様々なデータを加工・分析する能力も必要ですし、問題点を対外的にアウトプットしていく表現力も不可欠な仕事です。
地道な作業の先に大きな改善をする仕事であるといえます。
さいごに
工数管理の仕事内容でした。いかがでしたでしょうか。
生産管理マンにとっては当然必要な分野ですが、そうでない職種の方にとっても重要になってくるでしょう。
特に、組織のマネジメントを担う立場の人やプロジェクトリーダーのような人にとっても不可欠です。
しっかりと意識して、残業地獄からおさらばしてください。
それでは今回はこの辺で…。
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