春になり、新入社員の方や、人事異動/転職などによって新たに生産管理の仕事をやるという方がいらっしゃると思います。
また、新入社員を迎え入れる側にいる先輩社員や上司となる方々にも参考にしていただき、「うわ、生産管理つまんねー。こりゃ失敗だ。」と思わない(思われない)ための手助けができれば良いなと思います。今回はそういった要望に応える内容になっております。
最近、生産管理の人向けのオンラインコミュニティができたようです。
私も入っていますが、非常にためになるコンテンツがそろっています。
興味がある人はぜひ覗いてみてください。
『生産管理プロフェッショナルコミュニティ』
https://seisankanripro.com/
Contents
新入社員のあなたが意識すべきこと
主に意識してもらいたいことは以下の2つです。
まずは不安を解消すべし
高卒、大卒、理系、文系といろんな人がいると思います。
さらには製造部門を志望していた、営業や調達、経理を志望していたが、希望が叶わなかった人もいると思います。
おそらく、希望が通らずがっかりしている人や、自分にできるか不安に思っている人の方が多いでしょう。
私の経験上、新入社員で生産管理を志望して入ってきた人は非常に少ないからです。
逆に言えば、生産管理をやっている人の多くは、なんとなく(本意ではないが)生産管理を始めた人です。
さらに言えば、学生時代に生産管理の勉強をし、熱意をもって入社してきた人なんて、激レア人材なのです。
そのため、もし、あなたが「生産管理なんか自分にできるかなぁ」と不安になっているとしたら…
それは杞憂ですのでご安心ください。
今はバリバリやっている人のほとんどが未経験で生産管理の世界に飛び込んでいます。
最初は嫌だったけど、想像よりやりがいあるやん!
という人も大勢いますし、私もそのうちの1人です。
誰にでもできる仕事という訳ではありませんが、生産管理に配属が決まったということは、あなたに素質があると評価されたと考える方が自然です。
自信をもって今後のことを考えていきましょう!
仕事は”点”ではなく”線”で考えるべし
これは生産管理に限らず、あらゆる仕事にも言えることです。
仕事のできる人とそうでない人の差はココにあるといっても過言ではないです。
おそらく、生産管理に配属され仕事を教わるようになったとき、最初は伝票処理や簡単な事務処理を任せられると思います。
物流管理などに配属の場合は、単純な仕分け/格納作業などになるでしょう。
このとき、多くの人は教わった処理/作業方法を一生懸命覚えて、ミスのないようにやることを意識します。
もちろんそれも大事なことてす。
しかし、本当に大事なことは作業方法という“点”ではなく、それが会社の中でどういった役割を担っているのかという“線”を考えることです。
製造業における仕入れから出荷までの全体の流れをサプライチェーンと言います。
このサプライチェーン全体の中で、自分の仕事はどの位置にあり、どのような役割があるのかを意識することが後々の仕事に大きく左右してきます。
これをできるだけ早く掴める人が、良い仕事をできる人へと成長できるのです。
具体的には
・なぜそれをやらなければならないのか?
・その作業をやり忘れたり、ミスをしたらどうなるのか?
・あなたの後にそれを触る人は誰なのか?
を考えるのです。
そういうことを考えられると、仕事への理解が深まりますし、気をつけるポイントが分かります。
さらには一歩先のことを考えながら仕事をできるようになり、付加価値のある仕事へと繋がっていきます。
今はまだ少し難しいかもしれませんが、意識してみてください。
漠然と作業をこなすことはロボットにもできますし、むしろロボットの方がキチンとやれる時代になりつつあります。
あなたが少しでも良い仕事をしたいという思いがあるのであれば、常に“点”ではなく“線”で物事を考えるようにしましょう。
他職種から生産管理に異動になった人へ
他職種にいた人が人事異動やジョブローテーション、あるいは転職にて生産管理に配属となった人もいると思います。
そういった方は、社会人としての経験はあるので仕事へ取り組む姿勢は認識している人が多いはずです。
それでも漠然とした不安がある人は、「生産管理のことが全く分からない」や、「生産管理のハードさはなんとなく分かるから、自分にできるか心配」という部分が気になるのです。
そういった方々へ向けたアドバイスになります。
あなたのどこが評価されて生産管理に配属になったのかを考えるべし
これは、言い換えると自分の武器を認識するべきだ、ということになります。
会社の方針で異動が決まった場合にも、転職活動で採用された場合にも、そこであなたの良いところが評価され、それを生産管理として発揮してもらいたいという思いがあるはずです。
生産管理の仕事に対して自分の働き方を合わせるのではなく、自分の長所やスキルを認識し、それをどのように生産管理に活かしていけるのかを考えましょう。
具体的な例をあげていきます。
生産管理で“カネ”の軸や考え方を持った人は貴重です。
生産管理というのは、モノの量や納期といった軸で物事を考える習慣があります。
在庫のコントロールや納期の管理をすることが多いため、製品原価や経営状況などに疎い人が多いのは確かです。
そういった状況で、経理畑にいたという武器を持っている人は新しい価値観を提供できます。
生産管理の考え方に染まるのではなく、生産管理を理解しながら経理としての経験を共有し、会社にとってプラスに働くような仕事は何かを考えていくべきです。
こういう人の武器はモノづくりの経験と知識でしょう。
実際に現場で人員の管理やラインの段取りをしていたり、設備やラインキャパをコントロールしていた人が多いのではないでしょうか。
この経験は生産管理として非常に有効です。
生産管理はモノづくりの経験がない人が多く、無理な要求をしてしまうことが多くあります。
顧客要求に応えようとすると自然とそうなってしまうのですが、製造部門からしたら良い気はしませんし、場合によっては確執を生むことになりかねません。
そういった状況になりにくくするためには、相手の状況を慮ることが大切です。
実際にモノづくりに近いところで仕事をしていた人は、相手の状況をよくわかるため、一緒に最善の策を考えていくことができます。
これが最大の武器であり、異動を決めた会社側の狙いだといえます。
といったように、他職種から生産管理の仕事をするようになった場合、今までの当たり前がこれからの武器になります。
これをぜひ意識的に行動につなげていってもらいたいのです。
前職の経験×生産管理 = ∞の可能性
生産管理になった以上、覚悟すべきこと
生産管理の仕事をやるようになったとき、心が折れたりツラい思いをすることのないように事前に伝えておくことがあります。
生産管理はのんびりしている暇はほとんどありません。
客先からの要求は常にギリギリで、納期は常に差し迫っているためです。
じっくり分析、丁寧に資料づくりといったことが難しい傾向にあります。
時間をかけて100%の出来を目指すのではなく、短時間で60~80%の完成度を目指すことを意識しましょう。
誤解のないように言っておくと、
手を抜くということではなく、時間対効果を常に意識することで質の高いアウトプットをしていくのです。
これを「巧遅拙速(こうちせっそく)」と言いますが、非常に大切な考え方です。
生産管理に対してカッコイイイメージをもっている人もいるでしょう。
しかし、生産管理は結構泥臭い仕事が多いです。
得意先や仕入先には頭を下げ、製造部門には怒鳴られ、走り回って納期を守っているのです。
そして、それがあまり表に出ることはなく、褒められることも少ないです。
しかし、会社にとってはなくてはならない存在です。
泥臭い仕事にも意味はあります。
仕事はスマートにこなしたいという人も、最初はがむしゃらに泥臭く頑張ってみましょう。
生産管理のつらさ・大変さを先に知っておきたい人は下記も読んでみてください。
生産管理ってキツい?つらい?大変?
さいごに
今回は生産管理に配属が決まった方々へ向けたアドバイスでした。
希望が叶って生産管理をやる人も、嫌々やる人も、まずは全力で取り組んでみてほしいです。
大変なことの中に、きっとやりがいがあるはずです。
一人前の生産管理マンを目指してがんばっていきましょう!
それでは今回はこの辺で。
最近、生産管理の人向けのオンラインコミュニティができたようです。
私も入っていますが、非常にためになるコンテンツがそろっています。
興味がある人はぜひ覗いてみてください。
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